高齢者と暮らしていると、どうしても「におい問題」が気になることがあります。
トイレ、口臭、加齢臭、部屋のにおい…。
掃除をしても、ケアをしても、なぜかにおいが残ってしまうことも。
においは家族にとって負担になりやすいテーマですが、
その多くは「身体の変化」「生活習慣」「環境」の影響で起こるもので、正しく対処すると改善できます。
この記事では、高齢者に特有のにおいの原因と、家族ができる現実的な対処法をまとめて解説します。
■ 高齢者のにおいはなぜ強くなりやすいのか?
大きく分けて、次の4つが主な理由です。
- ① トイレのにおい(尿・便)
- ② 口臭(唾液量の低下・口腔環境の悪化)
- ③ 体臭・加齢臭(皮脂の変化・汗の質)
- ④ 部屋や衣類のにおい(湿気・蓄積汚れ)
■ ① トイレのにおい|“見えない汚れ”が最大の原因
● 尿がミスト状で広範囲に飛び散る
排尿時、目に見えない細かいミストが床・壁・便座裏に付着します。
これが乾いてにおいの膜になるため、拭くだけでは取れません。
● 水分不足 → 尿が濃くなる
高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分をあまり摂らないため尿が濃縮され、においも強くなります。
● 便が残りやすい(残便感・ガス臭)
腸の動きが弱くなり、便秘がなくてもガス臭・便臭が強くなることがあります。
● トイレ掃除のポイント
- 床は拭くより「洗う」(中性洗剤でなで洗い → 乾拭き)
- 便座裏を念入りに清拭
- トイレマットは使わない方が衛生的
- 換気は短時間をこまめに
■ ② 口臭|唾液の減少と口腔ケア不足が大きく関係
● 加齢+水分不足で唾液が減る
唾液が少なくなると口内が乾燥し、細菌が増えて強いにおいを発します。
● 薬の副作用も大きい
降圧薬・精神安定薬・睡眠薬などはドライマウスを起こしやすく、口臭の原因になります。
● 歯周病・入れ歯の汚れ
歯磨きを嫌がる方も多いため、汚れが残ってにおいが強くなるケースがよくあります。
● 口臭対策
- 1日数回に分けた水分補給(50〜100mlずつ)
- 歯磨きが嫌な日は「うがいだけ」でもOK
- スポンジブラシで軽く掃除
- 入れ歯は毎晩洗浄
- 痛みや出血があれば歯科受診
■ ③ 体臭・加齢臭|皮脂の変化と清潔習慣の変化
● 加齢に伴い皮脂の質が変化する
高齢者の皮脂からはノネナール(加齢臭の原因物質)が増えやすくなります。
● お風呂や着替えを嫌がる
面倒・疲れる・寒い…などの理由で入浴回数が減り、衣類も長く着続けがちです。
● 体臭対策
- お風呂は「温まるだけ」でOKの日を作る
- 大判の体拭きシートで清潔を保つ
- 下着は毎日、部屋着は2〜3日で交換
- パジャマは週1〜2回交換
■ ④ 部屋や衣類のにおい|蓄積汚れと湿気が原因
● カーテン・布団・ソファなどの布製品に染み込みやすい
汗や皮脂、尿の微量な飛び散りが蓄積すると、部屋全体がにおいやすくなります。
● 換気不足
高齢者の部屋は締め切りがちで湿気がこもり、においが強くなります。
● 部屋のにおい対策
- 1日5分の換気を数回(こまめに)
- 布団は天日干し or 布団乾燥機
- カーテンは年1〜2回洗濯
- 使い古いタオル・下着は早めに交換
■ 水分をしっかり摂ると、においは全体的に改善する
実は「水分摂取」がにおい対策の基礎です。
- 尿が薄くなる → トイレのにおいが減る
- 唾液が増える → 口臭が減る
- 便が柔らかくなる → ガス臭が減る
- 体の代謝が良くなる → 体臭がやわらぐ
1回にたくさん飲む必要はありません。
50〜100mlをこまめに飲むだけで大きな効果があります。
■ 家族がしんどくなるのは「普通」|においは慣れにくいもの
においは、家族がストレスを抱えやすい問題です。
「気にしちゃいけない」と思っても、心がついていかないことは誰にでもあります。
大事なのは、においの原因を知り、できる範囲から対策すること。
すべてを完璧にしなくても、水分補給・口腔ケア・トイレ掃除のコツ・衣類交換を続けるだけで確実に改善します。
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