「食べるのが遅くなった」「むせやすくなった」「最近あまり食べたがらない」――。
年齢を重ねると、多くの方が直面する“食べる力の衰え”。でも、あきらめる必要はありません。
今回は、嚥下リハビリ・心のケア・食事環境の工夫という3つの視点から、無理なく「食べる力」を取り戻す実践法を紹介します。
① 飲み込み力を鍛える!嚥下リハビリの基本
「むせる」「飲み込みづらい」と感じるのは、加齢によって嚥下(えんげ)機能が弱まっているサインです。
しかし、嚥下機能は筋肉と同じで、トレーニングすれば維持・回復が可能です。
● 家でもできる簡単な嚥下トレーニング
- あいうえお体操:口を大きく動かして発声し、口周りと舌の筋肉を刺激します。
- 唾液ごっくん練習:こまめに唾を飲み込むことで、飲み込みの反射を鍛えます。
- 首回し・肩回し:首や肩の筋肉をほぐすと、嚥下動作がスムーズになります。
また、食事前に深呼吸や軽いストレッチを取り入れることで、全身の緊張がほぐれ、誤嚥(ごえん)を防ぐ効果もあります。
② 「食べたくない」の裏にある心理とサポート
「作っても食べない」「おいしくないと言う」――そんなとき、栄養や味付けの問題だけでなく、心理的な要因が関係していることがあります。
● 食欲を失わせる3つの原因
- 孤独感:一人で食べる「孤食」は、食欲を大きく下げます。
- 抑うつ気分:気分の落ち込みで、味を感じにくくなることも。
- 自立心の低下:「介助されるのが恥ずかしい」「迷惑をかけたくない」などの思い。
まず大切なのは、「食べてもらう」より「一緒に食べる」時間をつくること。
好きな音楽を流す、昔話をしながら食卓を囲むなど、“心の栄養”を意識した環境づくりが食欲を呼び戻します。
③ 食べやすい環境づくりで、安全と楽しみを支える
食事中の転倒やむせを防ぐには、姿勢・照明・食器の高さといった環境面も重要です。
● 食べやすくする4つの工夫
- 姿勢は「少し前かがみ」を意識し、椅子の高さを調整する。
- 明るい照明で料理を見やすくし、食欲を刺激する。
- 滑りにくいお盆や軽い食器を使い、持ちやすさを工夫。
- 香りや彩りを大切にし、「おいしそう」と感じる演出を。
これらの小さな工夫が、「自分で食べる意欲」を保つための大きな支えになります。
まとめ:できることから、少しずつ“食べる力”を取り戻す
嚥下リハビリで「体の力」を、心理的サポートで「心の力」を、環境づくりで「生活の力」を整えれば、
高齢者が自分らしく“食べ続ける”ための土台ができます。
今日からできる一歩として、ぜひ取り入れてみてください。
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