「最近、むせやすくなった」「あまり食べなくなった」「食事に時間がかかる」――。
そんな変化を感じたら、“食べる力”を取り戻すサポートが必要かもしれません。
年齢を重ねても、「自分で食べ続ける力」は維持できます。
そのカギとなるのが、嚥下リハビリ・心のケア・食環境づくりの3つです。
① 嚥下リハビリで“飲み込み力”を取り戻す
食べ物がのどにつかえる、むせる、飲み込みにくい――
それは、嚥下(えんげ)機能が弱ってきたサインです。
でも「もう歳だから仕方ない」ではありません。
舌・首・口まわりを動かす軽いリハビリで、嚥下機能は少しずつ回復します。
- あいうえお体操(口を大きく動かす)
- 舌を左右・上下に動かすトレーニング
- 首をゆっくり前後に倒すストレッチ
さらに、食事前に深呼吸と口の準備運動をするだけでも、むせにくくなります。
食べることは「筋トレ」です。毎日の積み重ねが、飲み込み力を支えます。
② 食欲がない高齢者の心理と“心の栄養”
「作っても食べてくれない」「おいしくないと言う」――
そんなとき、栄養の問題だけでなく心の状態にも目を向けてみましょう。
孤独や無気力、喪失感などが続くと、
「食べる意欲」そのものが低下してしまうことがあります。
解決の第一歩は、一緒に食べる時間を増やすこと。
人と一緒に食事をするだけで、食欲ホルモンの分泌が高まるとも言われています。
さらに、「今日はこのおかずどう?」と会話を交わすことで、
“食べること=つながること”という温かい感覚が戻ってきます。
食事は、体だけでなく心の栄養でもあります。
③ 食べやすい環境づくりの工夫
実は、「食べにくい」「むせる」原因の一部は、環境にあります。
ほんの少し整えるだけで、食欲も安全性も変わります。
- 照明を明るくして、食事が見やすいようにする
- テーブルと椅子の高さを調整し、足裏がしっかり床につくようにする
- 香りや彩りを意識して、五感を刺激する
- 食器の色を変えて、食材とのコントラストをはっきりさせる
また、テレビを消して静かな環境にすると、集中して食べやすくなります。
「食べる空間を整える」ことも、立派な介護予防の一つです。
まとめ:食べる力を“支える”から“引き出す”へ
むせる、食べない、こぼす――。
それは“できない”のではなく、“支え方を変えればできる”ことがほとんどです。
嚥下リハビリで飲み込み力を守り、
心のケアで意欲を引き出し、
環境を整えて、食べやすい時間をつくる。
この3つの積み重ねが、高齢者の「自分で食べ続ける力」を支えます。
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