母に“嘘をつく娘”の本当の気持ち― 事実よりも、心を守る言葉を選べるようになるまで ―

介護

「ご飯、食べた?」
母は、さっき食べたばかりのことを、もう忘れていた。

私は「さっき食べたよ」と言えずに、
「うん、もうすぐだよ」と答えた。
──そんな自分が、少し苦しかった。

嘘をつくことに抵抗があるのは、
母に“事実を理解してほしい”から。
頭が良くて頼りがいのある母を、
私はいまも、どこかで諦めきれない。

でも、認知症ケアでは「安心」が「真実」より大切になる。
“嘘”ではなく、“心を守る言葉”だと知ったとき、
ようやく少し、自分を責めるのをやめられた。

母は変わっていくけれど、
母を想う気持ちは、何も変わらない。
今日も私は、母の心が穏やかになる言葉を探している。



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