絵本『おこだでませんように』レビュー|怒られる子どもの本当の気持ちに気づく心に響く一冊

絵本『おごだでませんように』の表紙写真 おすすめ絵本

くすのき しげのり・作 石井聖岳・絵

発行所:小学館

発行年月日:2008年7月

おごだでませんように???

そもそも

この言葉は何なのでしょう?

表紙には目にいっぱいの涙をためて

そっぽを向く男の子の顔

口もゆがむほどギュッとむすんで

とてもくやしそう…

あらあら、何があったのかな

心配な気持ちで読み進めます

主人公のぼくは小学一年生

家でも学校でも

怒られてばかりです

仕事で

帰りが遅くなったおかあさんのかわりに

妹の面倒をみていたのに

ぐずって泣き出した妹を

「泣かせた」と怒られてしまいます

意地悪を言った同級生に

手を出して怒られ

カマキリを見せて女子を泣かせて怒られ

友だちに給食を大盛にしすぎて怒られ

捨て猫を拾って帰って、怒られるぼく

怒られてばっかりで

ちっともほめてもらえない

しかも、もっと怒られるからと

言い訳もしないんです

表紙のくやしそうな顔はきっと

そんなときの顔です

良かれと思って

行動していることもあるのに…

ぼくの気持ちが伝わって

読んでいる方も悲しくなります

悲しくて

どうしたらいいのかわからないぼく

そんなある日

学校で七夕の短冊を書きました

一生懸命考えていたら

「はようかきなさい」

また怒られてしまったぼく

こころをこめて

一番のおねがいをかきます

『おこだでませんように』

そう

『おこられませんように』です

その短冊を見た先生は泣きながら

ぼくをほめてくれます

「せんせい……、

おこってばっかりやったんやね。

ごめんね。

よう かけたねえ。

ほんまに ええ おねがいやねえ」

先生は、その夜

家に電話をして

おかあちゃんと長く話をしました。

電話が終わると、おかあちゃんは

「ごめんね、おかあちゃんも、

おこってばっかりやったね」

と言ってだっこして

ぎゅうっと抱きしめてくれました

せんせいも、おかあちゃんも

怒ってばかりの自分に悩んでいたんですね。

表紙とは別人のような

しあわせそうな笑顔で眠るぼく

たなばたさま ありがとう

ほんまに ありがとう

きょう ぼくは ものすごく しあわせです

おれいに ぼく

もっと もっと ええこになります

そんな言葉で、絵本は終わります

わたしは、たなばたさまではありませんが

たなばたさまにかわって

この子にお礼が言いたいです。

こちらこそありがとう。

ぼくが一生懸命書いてくれた短冊のお陰で

大切なことに気づけました

わたしも、せんせいも、おかあちゃんもです

これからは、あなたをちゃんと見て

あなたの気持ちをちゃんと考えて

気づける大人になりますからね。

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