認知症の症状のひとつとして知られている「徘徊」。
夜中に外へ出てしまう、家に戻れなくなるなど、家族にとって大きな不安につながる行動です。
この記事では、認知症の徘徊についての一般的な知識と、家庭でできる現実的な対処法をまとめます。
認知症の「徘徊」とは?
徘徊とは、本人が目的なく歩き回っているように見える行動を指します。
ただし、実際には本人の中に理由や目的があることが多く、
- 家に帰らなければならない
- 仕事に行く時間だと思っている
- トイレや用事を探している
など、過去の記憶や役割意識が影響しているケースも少なくありません。
徘徊が起こる主な原因
認知症による徘徊には、次のような要因が重なることがあります。
- 時間や場所がわからなくなる
- 不安や混乱が強くなる
- 昼夜逆転や睡眠不足
- 昔の生活習慣や責任感がよみがえる
そのため、
「歩いてはいけない」「出てはいけない」と説明しても理解されにくいのが特徴です。
家族が困りやすいポイント
徘徊があると、家族は次のような負担を抱えがちです。
- 夜間も目が離せず眠れない
- 外出や仕事に支障が出る
- 行方不明になるのではという不安
- 近所や警察に相談することへの抵抗感
放置すると、家族の心身の疲労が大きくなりやすい症状です。
家庭でできる現実的な対処法
環境を整える
- 玄関を目立たなくする
- 靴や鍵を視界に入らない場所へ
- センサーライトやドアチャイムを設置する
声かけの工夫
- 「ダメ」「行かないで」と否定しない
- 「今は夜だから、朝一緒に行こう」など安心させる言葉を使う
- 気持ちに寄り添う姿勢を大切にする
生活リズムの見直し
- 昼間に適度な活動を取り入れる
- 昼寝は短時間にする
- 夕方以降は刺激を減らす
外に出てしまう場合の備え
万が一に備えて、次の準備が役立ちます。
- 名前と連絡先を書いた見守りタグ
- 服や靴への名前記入
- 最近の写真をスマートフォンに保存
- 近所の人に事情を共有しておく
「起きてから考える」では間に合わないこともあります。
公的支援や相談先を活用する
徘徊が心配な場合は、早めに相談することが大切です。
- 地域包括支援センター
- 認知症高齢者見守りネットワーク
- 自治体のGPS貸与事業
- 介護保険サービス(デイサービス・ショートステイなど)
家族だけで抱え込む必要はありません。
まとめ
徘徊は、本人の性格やわがままによる行動ではありません。
認知症による混乱や不安が、行動として表れているものです。
早めの備えと周囲の協力によって、
本人の安全と家族の負担を同時に守ることができます。
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