「まさか、こんなことで…」
高齢者の事故は、大きな災害や特別な外出中よりも、**実は日常の“いつもの時間帯・いつもの行動”**で多く起きています。介護をしている家族ほど、「危なそうな場面」を想像していても、事故はその“想定外のタイミング”を突いて起こります。
この記事では、高齢者の事故が増えやすい具体的なタイミングと、今日からできる現実的な対策を、介護の現場目線でまとめます。
結論|事故は「体力が落ちる時間」と「油断する瞬間」に起きやすい
高齢者の事故は、
- 体力・集中力が低下する時間帯
- 生活リズムが乱れやすい季節や行事
- 本人も家族も「慣れてしまう」瞬間
この3つが重なったときに増えます。
以下で、特に事故が多いタイミングを順に見ていきましょう。
① 早朝・夜間|トイレ移動の時間
なぜ危険?
- 眠気が残り判断力が低下
- 暗さで段差や物が見えにくい
- 冬は寒さで筋肉がこわばる
特に夜間頻尿がある高齢者は、急いで立ち上がり、ふらついたまま歩いてしまうことが多く、転倒事故の大きな原因になります。
対策
- 足元灯や人感センサーライトを設置
- 寝室からトイレまでの動線に物を置かない
- すべりにくい室内履きを用意
- 必要に応じてポータブルトイレも検討
「我慢させない」「急がせない」ことが、安全につながります。
夜間の事故が多い背景には、夜間頻尿も大きく関係しています。
夜間頻尿の原因と対策はこちら
② 朝の時間帯|起床直後〜朝食前
なぜ危険?
- 血圧が不安定になりやすい
- 立ちくらみ・ふらつきが出やすい
- 寝起きで身体がまだ動かない
起床直後に急に立ち上がり、そのまま倒れてしまうケースは少なくありません。
対策
- 起き上がる前に一度ベッド上で座る
- 「ゆっくりでいいよ」と声かけをする
- 朝食前にコップ一杯の水をとる
“急がせない朝”をつくることが、事故予防になります。
高齢者の事故で特に多いのが転倒です。
冬の転倒を防ぐ具体的なポイントはこちら
③ 夕方〜日没後|いわゆる「魔の時間」
なぜ危険?
- 一日の疲れがたまる
- 視界が急に暗くなる
- 認知症がある場合、不安や混乱が強まる
この時間帯は、転倒・外出トラブル・徘徊なども増えやすくなります。
対策
- 早めに照明をつける
- 夕方以降は危険な家事をしない
- 不安そうな様子があれば声をかける
「夕方は無理をしない時間」と決めておくのがおすすめです。
夕方以降に事故が増える背景には、認知症による不安や混乱もあります。
認知症と事故の関係について詳しくはこちら
④ 季節の変わり目|特に冬と梅雨
なぜ危険?
- 寒暖差で体調を崩しやすい
- 冬は筋力低下・関節のこわばり
- 梅雨は床が滑りやすい
冬場は、暖房を我慢して夜中に何度も動くことで、事故リスクが高まります。
対策
- 室温は18℃以上を目安に
- ヒートショック対策として脱衣所も暖める
- 滑り止めマットを活用
「節約」より「安全」を優先する視点が大切です。
⑤ 慣れてきた頃|介護・生活の“油断期”
なぜ危険?
- 介護する側が状況に慣れる
- 本人も「できるつもり」で動く
- 変化に気づきにくくなる
事故は、環境が変わった直後より、落ち着いた頃に起きやすいのが特徴です。
対策
- 「最近変わったこと」を定期的に振り返る
- できなくなった動作を見逃さない
- 無理をしていないか本人に確認する
家族が覚えておきたい大切な視点
- 事故は「不注意」ではない
- 老化や病気による自然な変化
- 防げる事故はたくさんある
そして、完璧を目指さなくていいということも大切です。
まとめ|事故予防は「気づくこと」から始まる
高齢者の事故は、
- 特定の時間帯
- 特定の季節
- 心と体が疲れた瞬間
に集中して起こります。
「この時間は危ないかも」と一歩先を想像するだけで、防げる事故は確実に増えます。
介護する人も、される人も、
今日を無事に終えられたら、それで十分。
その積み重ねが、安心につながっていきます。
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