夕方になると、
- 落ち着きがなくなる
- 何度も立ち上がる
- 「帰らなきゃ」「何かしなきゃ」と不安そうにする
このような変化に、心当たりはありませんか?
高齢者の事故は、夕方から夜にかけて急増します。その背景には、認知症による不安・混乱・判断力の低下が深く関係しています。
この記事では、
- なぜ夕方以降に事故が増えるのか
- 認知症と事故が結びつく理由
- 家族が今日からできる具体的な対策
を、介護の現場目線で丁寧に解説します。
結論|事故は「症状」ではなく「環境とのズレ」で起きる
認知症があるから事故が起きるのではありません。
本人の状態と、置かれている環境が噛み合わなくなったときに、事故は起こりやすくなります。
特に夕方以降は、
- 本人の認知機能が低下し
- 周囲の環境も変化し
- 介護する側も疲れている
という条件が重なりやすい時間帯です。
なぜ夕方以降に事故が増えるのか(サンセット症候群)
夕方から夜にかけて、
- 不安
- 混乱
- 興奮
- 徘徊
が強まる現象を、**サンセット症候群(夕暮れ症候群)**と呼びます。
主な原因
- 明るさの変化による視覚情報の混乱
- 一日の疲労の蓄積
- 時計や予定が理解しづらくなる
- 周囲が忙しくなり、声かけが減る
これらが重なることで、**本人は「何かおかしい」「このままではいけない」**と感じ、無理な行動につながります。
認知症と事故が結びつく具体的な場面
① 立ち上がり・歩行時の転倒
- 目的が分からないまま立ち上がる
- 足元や段差に注意が向かない
- 疲労で足が上がらない
結果として、夕方以降の転倒事故が増えます。
② トイレ関連の事故
- トイレの場所が分からなくなる
- 我慢できず急いで移動する
- 夜間頻尿が重なる
暗さと焦りが加わり、転倒や失禁につながることもあります。
③ 外に出ようとする・徘徊
- 「帰宅時間だと思い込む」
- 昔の生活リズムがよみがえる
- 不安から外に出てしまう
夕方以降は、外出トラブルや行方不明のリスクも高まります。
家族ができる事故予防の具体策
① 夕方は「環境を変えない」
- 家具の配置を変えない
- 新しい刺激を増やさない
- 来客や騒音を控える
安心できる環境を保つことが、混乱の予防になります。
② 明るさを“早めに”確保する
- 日没前から照明をつける
- 足元灯・間接照明を活用
暗くなってから点けるのではなく、早めの点灯がポイントです。
③ 夕方以降は無理をさせない
- 入浴は早めの時間に
- 家事やリハビリは午前中中心
- 「やらせる」より「休ませる」
夕方は休む時間と割り切ることも大切です。
④ 声かけは「安心」を最優先に
- 否定しない
- 正そうとしない
- ゆっくり短い言葉で
正解を伝えるより、安心させる声かけが事故防止につながります。
介護する側へ伝えたいこと
夕方以降に事故が増えると、
- 自分の対応が悪かったのでは
- もっと見ていればよかった
と、介護者は自分を責めがちです。
でも、これは
- 認知症の特性
- 一日の疲れ
- 環境の影響
が重なった結果です。
あなたのせいではありません。
まとめ|夕方は「安全第一」でいい
認知症のある高齢者にとって、夕方以降は
- 分かりにくい
- 不安になりやすい
- 事故につながりやすい
時間帯です。
夕方は、
- できることを減らす
- 環境を整える
- 安心を優先する
それだけで、事故のリスクは確実に下がります。
介護は、
一日を無事に終えられたら合格。
その積み重ねで十分です。
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