お正月が近づくと、毎年のように耳にするのが「高齢者がおもちをのどに詰まらせた事故」です。
ニュースを見るたびに、「うちは大丈夫だろうか」「今年はどうしよう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
この問題は、安全だけでなく、高齢者本人の気持ちや尊厳とも深く関わっています。
この記事では、
- なぜおもちの事故が起きやすいのか
- 家庭でできる事故防止策
- 万が一のときの対応
- 「やわらかもち」という選択肢
- 代替することがもたらす心理的な効果
を、まとめました。
なぜ「おもち」は高齢者にとって危険なのか
おもちは、日本の伝統的な食べ物ですが、実はとても事故リスクの高い食品です。
- 粘着性が強く、のどに貼りつきやすい
- 温かいと柔らかく、冷えると急に固くなる
- 小さくても一塊になりやすい
高齢になると、
- 噛む力・飲み込む力(嚥下機能)の低下
- 咳で異物を出す力の低下
- 口の中の乾燥(薬の影響など)
が重なり、若い頃と同じ感覚で食べること自体が危険になります。
おもち事故を防ぐために、家庭でできること
事故を防ぐために大切なのは、「急がせない」「油断しない」ことです。
基本の予防ポイント
- おもちは想像以上に小さく切る
- 焼きもちより雑煮など水分と一緒に
- 一口ずつ、飲み込んだのを確認する
- 会話しながら食べない
- 体調が悪い日は無理に出さない
それでも、リスクがゼロになるわけではありません。
「掃除機で吸い出す」は本当に正しい?
時々、「掃除機で吸い出して助かった」という話を聞くことがあります。
しかし、これは正式に推奨されている方法ではありません。
- うまく取れないことが多い
- のどや口腔内を傷つける恐れがある
- 対応が遅れてしまう危険がある
声が出ない・咳ができない場合は、迷わず119番。
救急要請を最優先にしてください。
万が一、詰まってしまったときの基本対応
- 声が出ない、苦しそう → すぐ119番
- 意識があり咳ができる場合は、無理に触らず見守る
- 意識があり咳ができない場合は、背部叩打や腹部突き上げ
※無理に指を入れるのは、奥に押し込む危険があります。
「やわらかもち」とは?
やわらかもちは、高齢者や嚥下に不安がある方向けに作られた介護配慮食品です。
- 冷めても硬くなりにくい
- のどに貼りつきにくい
- 口の中でほぐれやすい
一般のおもちより安全性を高めた設計ですが、絶対に安全というわけではありません。
小さく・ゆっくり・見守りながらが基本です。
割高でも「代替する価値」がある理由
やわらかもちは、正直に言うと普通のおもちより割高です。
それでも選ばれる理由があります。
① 命を守れる
事故が起きた場合のリスクを考えると、
価格差は決して高いものではありません。
② 高齢者本人の「疎外感」を防げる
お正月におもちを食べることは、単なる食事ではなく、
- 家族と同じものを食べる
- 季節を感じる
- 思い出や文化を味わう
という心の体験でもあります。
「あなたは危ないからダメ」ではなく、
「安心して食べられる形にしよう」
この一言が、本人の尊厳を守ります。
おもちをやめることは、冷たい判断ではない
おもちを出さない、代替するという選択は、
楽しみを奪うことではありません。
それは、
「今年も一緒に、安心してお正月を迎えたい」
という、深い思いやりです。
去年は大丈夫でも、今年の体は違うかもしれない。
今の状態に合わせて選ぶことが、家族にできる最大の配慮です。
まとめ
- おもちは高齢者にとって事故リスクが高い食品
- 予防してもリスクはゼロにならない
- 万が一の対応を家族で共有しておく
- やわらかもちや代替食品は、安全と尊厳を守る選択
今年のお正月が、
誰にとっても「怖くない」「置き去りにされない」時間になりますように。


コメント