認知症介護では「何をどうすればいいの?」と悩む瞬間がたくさんあります。家族が混乱しやすい理由のひとつが、中核症状とBPSDを同じものとして見てしまうことです。
実は、この2つをしっかり区別して考えるだけで、介護は驚くほどラクになります。この記事では、その理由と実際の介護で役立つ考え方をまとめます。
1. 中核症状とBPSDは“性質が全く違う”
まず押さえておきたいのは、中核症状とBPSDは同じ「認知症の症状」ではありますが、性質がまったく違うということです。
- 中核症状=脳の変化で必ず起こる症状(変えにくい)
- BPSD=環境や理由によって現れる症状(変えられる可能性が高い)
この違いを理解するだけでも、家族の見方や対応が変わってきます。
2. 中核症状は“受け止めて支える”部分
中核症状は、記憶障害や見当識障害、段取りが分からないなど、「脳の状態が変わったことで起きる症状」です。ここを無理に変えようとすると、家族も本人も疲れてしまいます。
大切なのは、できない部分を責めず、環境を整えて支えること。
例:
- 忘れてしまう → メモや「見える化」で補う
- 場所が分からない → トイレや部屋の動線を分かりやすくする
- 段取りが難しい → 家族が“順番”を示して一緒に進める
「できなくて当たり前」という視点があるだけで、介護のストレスは大きく減ります。
3. BPSDは“理由を探して対応すれば落ち着く”部分
BPSD(行動・心理症状)は、中核症状に「環境や体調・感情」が重なって起こります。だからこそ、理由に合った対応をすると改善しやすい特徴があります。
よくある理由と対応の例:
- 不安 → 同じスタッフが関わるようにすると落ち着く
- 寒い・暑い → 室温調整や衣類の変更で改善
- トイレの場所が分からない → 案内表示を貼ると徘徊が減る
- 痛み・便秘・感染症 → 医療対応で怒りや拒否が改善
BPSDを見るときは、=性格が変わった
× 困っているサインが出ている と捉えることがポイントです。
4. 2つを分けて考えると介護が劇的にラクになる理由
中核症状とBPSDを分けて考えるメリットは、とても大きいです。
- ① 無理をしなくて良いところが分かる
- ② 改善できるところが分かる
- ③ 家族の“やるべきこと”が明確になる
- ④ 介護サービスを選ぶ基準ができる
「全部頑張らなきゃ」ではなく、
中核症状 → あきらめる部分(環境で支える)
BPSD → 探せば解決する部分(理由に対応する)
と分けられると、家族の肩の力がすっと抜けます。
5. まとめ|知っているだけで介護はラクになる
認知症の介護は、知識があるかどうかで負担が大きく変わります。中核症状とBPSDの違いを理解すると、本人の行動の理由が見えやすくなり、改善の糸口がつかみやすくなります。
「変えにくい部分」と「変えられる部分」を分けて考えることは、介護者の心を守り、本人の安心にもつながる大切な視点です。
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「分けて考える」視点を理解するためには、
まず中核症状とBPSDそれぞれの役割を知っておくことが大切です。
「これは病気の症状? それとも環境や関わり方の影響?」
そう立ち止まって考えることで、介護は少しずつラクになっていきます。


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