認知症には大きく分けて「中核症状」と「BPSD」という2種類の症状があります。これは介護に深く関わる家族にとって、知っているか・知らないかで介護のしんどさが大きく変わる、とても大切な知識です。
この記事では、両者の違いと、負担を減らす対応の考え方をわかりやすく解説します。
1. 中核症状とは?(認知症そのものによる症状)
中核症状は、脳の細胞がダメージを受けることで起こる「必ずみられる症状」です。環境や声かけで完全にはなくなりませんが、工夫することで負担を軽くすることはできます。
中核症状の主な例
- 記憶障害:新しいことを覚えられない、直前の会話を忘れる
- 見当識障害:時間・場所・人が分からなくなる
- 実行機能障害:段取りや手順がわからなくなる
- 判断力の低下:危険の察知ができない、詐欺に遭いやすい
- 注意障害:複数のことを同時に行えない
- 失語・失行・失認:言葉が出ない、やり方が分からない、物の認識が難しい
2. BPSDとは?(行動・心理症状)
BPSDは、中核症状に「環境」「体調」「不安・ストレス」などが重なることで現れる、二次的に起こる症状です。
実は家族が最もつらいと感じるのは、このBPSDであることが多く、しかし裏を返すと対応によって改善できる可能性が高い症状でもあります。
BPSDの主な例
- 行動面:徘徊、介護拒否、暴言・暴力、同じ行動の繰り返し、不眠
- 心理面:不安、恐怖、抑うつ、幻覚、妄想(物盗られ妄想など)
3. なぜBPSDが家族にとってつらいのか?
BPSDは生活が止まったり、安全面の不安が大きかったりと、家族の負担が強く出ます。気持ちの余裕がなくなり、「どうしたらいいのか分からない」状態になりがちです。
しかし、BPSDには必ず本人なりの理由があります。
- トイレの場所がわからない
- 寒い・暑い・痛い
- 刺激が多すぎる・少なすぎる
- 不安や孤独が強い
この「理由」にアプローチすると、症状が驚くほど落ち着くことがあります。
4. 中核症状とBPSDを分けて考えると介護が楽になる
この2つを理解すると、介護の方法が明確になります。
- 中核症状:変えられない部分 → 環境でサポートする
- BPSD:変えられる可能性が高い部分 → 原因を探して対応する
「どうにもならない」と感じていた行動が落ち着くことで、本人も家族もラクになるという、とても大きなメリットがあります。
5. まとめ
認知症の中核症状とBPSDの違いを知ることは、介護の質を大きく変える大切なポイントです。中核症状は“仕方のない部分”、BPSDは“理由に対応すれば改善する部分”。
この考え方だけでも、介護に余裕が生まれ、本人に寄り添いやすくなります。
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認知症の介護がつらく感じるとき、
実はその原因は「中核症状」ではなくBPSD(行動・心理症状)にあることが多くあります。
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考え方を切り替えるヒントとして、ぜひあわせて読んでみてください。


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