画像引用:Amazon本
先日、捨てられないプラレールについて
書かせていただきましたが
偶然にも
最近読んだ小説の中に
プラレールが登場しました。
大変感動したので
ご紹介させていただきます。
この小説は
在宅医療の話です。
故郷、金沢に帰って活躍する
62歳の女性医師が
何人もの患者さんを診療し、
自分の父も看取ります。
患者さんの1人である
末期がんで元高級官僚の
宮嶋さんのところで
プラレールは登場します。
宮嶋さんには一人息子がいます。
三十代で東京で暮らしている息子は
仕事で多忙に過ごしています。
抗がん剤での治療をあきらめ
故郷、金沢での在宅医療と
緩和ケアを選んだ両親に対して
息子は
あくまでも治る可能性を信じて
東京の大学病院で
積極的な治療を行うべきとの考えで
衝突してしまいます。
父親の余命が短いというのに
親子関係はとても悪化してしまいました。
末期がんの父親や
介護を頑張りすぎて疲れ果てる母親とも
たまに電話してきても
東京の大学病院に帰れ
と言うだけの息子。
若くて前向きで、
心配するからこそなのでしょうが
理解し合えず
悲しいですね。
末期がんの宮嶋さんは
実家である自宅に積まれた段ボールに
プラレールと書かれたものを見つけます。
そして
部屋いっぱいに
プラレールやほかのおもちゃ
を広げて、息子と妻と親子三人ですごした
幸せな日々を思い出します。
高級官僚で多忙だった宮嶋さんですが
家族の時間は大切にしていたので
しあわせな記憶がたくさんあります。
数か月が過ぎ
宮嶋さんは危篤状態になります。
ぎりぎりのタイミングで
東京からかけつけた息子は
寝室の扉を開けて絶句します。
天井に届くほど何層にも組み上げられた
プラレールの線路があり、
何編成もの電車が右へ左へと
走っていたからです。
この線路は宮嶋さんと訪問診療のスタッフが
作り上げたものでした。
父親の手をにぎった息子は
「親父に俺、よく遊んでもらっ……」
と感極まり
宮嶋さんは亡くなります。
忙しく働いていた高級官僚の父親
無駄な延命治療を拒否した父親の
自分に対する深い愛情を
息子は部屋いっぱいのプラレールで
一瞬で理解したんですね。
きっと宮嶋さん自身も
こどもが小さかった頃を思い出し
もっと一緒に遊びたかったと
満たされない後悔を感じつつ
プラレールを組み立てていたんでしょう。
それはきっと
必要で しあわせな時間だったことでしょう。
息子はたくさん遊んでもらった
と記憶しているのに
宮嶋さんはきっと足りないと感じてしまう。
こども思いの親ほど
このジレンマに苦しまされるのは
なんだか皮肉な話ですね。
今、まだこどもとプラレールを出来る
子育て世代の方々…
本当にうらやましい限りです。
でも
子育てって大変なことも
重々わかっています。
それでも
子育てが終わってしまった私たちには
泣けてしまうほど
懐かしくて
しあわせな時間なことを
頭の片隅にでも
ちょっと覚えていてくださいね。


コメント