画像引用:Amazon絵本
作者:キース・ネグレー(作) 石井睦美(訳)
発行所:光村教育図書
発行年:2020年12月
値段:1500円+税
むかしむかし(と いっても、
うんとむかしじゃなくて ちょっと むかし)と
始まるこの話は
いまから百年は昔ではない
ニューヨークのおはなし。
主人公はメアリー。
小さなころから
独立心と正義感に満ちた少女です。
メアリーがこどもだった頃
女の子はズボンをはいてはいけませんでした。
女の子が着るのはきゅうくつなドレスだけ。
重くて暑くてごわごわしていて
息をするのも楽じゃない。
ぴったりしていて動きにくいドレス。
でも、今までもずっとそうだったから
それがおかしいなんて
みんなは思いませんでした。
でも、メアリーはおかしいと思いました。
そして、素晴らしいアイデアを思いつきます。
それは、ズボンをはくこと!
ズボンをはいたメアリーは飛び跳ね、
しゃがみ、でんぐり返しして
その動きやすさに大喜び。
その素晴らしさを伝えに町に出掛けます。
ところが
待っていたのは非難の嵐。
いいね。なんて、だれも言ってくれません。
がっかりして帰ってきたメアリーの話を
じっくり聞いてくれるお父さん。
批判も、これといった助言もせずに
翌日もズボンで出かける娘を見送ります。
はやく歩けるズボンで学校に行くメアリー。
反対団体は学校までついてきて
メアリーが学校に入るのを妨害します。
おこったメアリーは彼らに こう言います。
男の子の ふくを きているんじゃないわ
わたしは わたしの ふくを きているのよ!
そうして教室に入ったメアリーは
びっくりします。
ズボンをはいた女の子は
メアリーだけではなかったのです。
ほかの女の子たちもズボンをはいて
学校に来ていたんです。
そのページには、自分はドレスですが
ズボンの女子を
笑顔で受け止めている先生のすがた。
次のページでは男の子も女の子も
動きやすそうなズボンで遊んでいます。
ドレスの子も一緒です。
あとがきには、メアリーがその後
ズボンをはいているという理由で
何度も逮捕されたこと(!!?)や
女性にはあるまじきことと言われながら
医学部を卒業して外科医として活躍したこと。
ずっとズボンをはき続け、執筆や講演
選挙権や好きなものを着る権利などを
訴え続けたことなどが書かれています。
すごすぎるメアリー。
ありがとうメアリー。
あなたが頑張ってくれたから
わたしたちの今の自由があるんですね。
私が就職したころは、
保育園で作り物をするときは
当然のように
男の子のものは水色
女の子のものはピンク
で作っていました。
なにも考えず、よかれと思って
やっていたことでしたが
今になって思えば、小さなころから
ジェンダーに対する
先入観を植え付けていたかもしれません。
また大人は
男の子にクルマや恐竜のおもちゃを
女の子に人形やままごとを
無意識にあたえているそうです。
だから
男女の遊びの嗜好は
そのような周りの大人の
働きかけによって
後天的に作られている部分も多そうです。
娘の高校の制服を作るとき
ズボンにしますか?スカートにしますか?
と言われてびっくりしました。
その時点ではスカートをお願いしましたが
冬になると寒いからズボンもほしいと言われて
結局スカートとズボンを両方持っていました。
ところが、三年間を結果的にみると
ズボンをはく機会の方が、
断然多いようでした。
女子のズボン制服姿を見る機会も
増えましたよね。
私が高校生だった頃
制服がなくなって
私服になる時代が来るのではと
未来を想像したことがありました。
でも
自分のこどもの世代で
女子がズボン制服を着るようになるとは
考えたこともありませんでした。
未来って想像していたのと違う方向に
進むこともあって
面白いですね。
ジェンダーレス
男の子の服・女の子の服ではなく
自分の服。
にんげんって、
あたりまえだと おもっていたことが
かわってしまうのが こわいんだよ
と、メアリーのお父さんも言っていました。
怖いとまではいかなくても
違和感を感じたり、
疑問をもったりもするかも。
でも
メアリーを批判して
追いかけまわす人達のようには
なりたくないですね。
よくわからずに同調しているこどもが
多いのも気になります。
メアリーのようにはなかなかなれませんが
せめて
じっとメアリーの話を聞くお父さんのように
生徒たちをみとめて
やさしく見守る先生のように
世の中の変化に柔軟に対応するひとに
なっていきたいですね。


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