絵本『アントン先生』レビュー・やさしい医者の不養生と癒しのごはん

絵本『アントンせんせい』の表紙写真 おすすめ絵本

作者:西村敏雄

発行所:講談社

発行年:2013年3月

値段:1200円+税

アントン先生

動物病院のお医者さん。


ある朝

まだ診療時間ではないはずの

早朝6時

窓をたたく音で目を覚まします。

入ってきたのはニワトリさん

コケコッコー!と鳴いて

森のみんなを起こさなくてはいけないのに

声が出なくなってしまったのです。

でも、大丈夫。

アントン先生が森の薬草で作った

うがいぐすりでうがいをすると

すぐに とてもきれいな声に戻りました。

それからも

つぎからつぎへと

いろいろな動物たちが

アントン先生を頼ってやってきます。

熱があるけど注射がこわいトラ

カバの真似をして

顎が外れてしまったワニ

足がつかれたフラミンゴ

頭がかゆいバイソンなどなど。


それからやってきたヤギさん

なんだか…このごろ

げんきが でないんです…。

と悲しそうな声で言います。

アントン先生は聴診器を当てて

あれこれ調べますが

どこにも 調子の悪いところはありません。

ヤギさん、なにか はなしたいことが

あるんじゃ ないですか?

アントン先生にきかれたヤギさん

一番仲良しの友だちが

遠くにひっこしてしまって

さびしいことを打ち明けます。

そして、泣きながら話すヤギさん

友だちとの思い出話を

アントン先生はやさしく

長い間聞き続けました。

ところが、その時

バタ~ン!

アントン先生が突然倒れてしまいます。

びっくりして叫ぶヤギさん

動物たちも駆けつけて

タヌキが聴診器をあてると

グ~ グ~ グギュ~

おなかから、すごい音。

アントン先生、朝から何も

食べてなかったんです。

まさに医者の不養生です。


それから動物たちは

森でとれた野菜や果物をもちよって

アントン先生のために

栄養のある料理を作ります。

言い出しっぺは

友だちのひっこしで

元気がなかったヤギさん

はりきってニンジンを切っています。

やるべきことがあるということ

誰かのやくにたてるということは

さびしさに

打ちのめされていたヤギさんにとっても

やはり、何よりの薬になるんですね。

できた~ と

動物たちが作ってくれた

栄養満点のシチューを、おなかいっぱい食べて

アントン先生はすっかり元気になりました。

そのシーンの柱時計は6時ちょうど。

ニワトリさんに起こされてから

きっちり12時間です。

働きすぎです、アントン先生

アントン先生がいかに名医でも

いかに善人でも

ワークライフバランス…自分を

大切にしなくてはいけませんね。

とは言え

こんなに患者さんに愛されていたら

無理もしてしまうのかもしれませんね。

やさしいアントン先生と動物たちに

癒される絵本のご紹介でした。



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