ずいぶん昔の話ですが
年中児の担任をしていたある日のこと
こどもたちと
給食の準備をしている途中で
電話対応が入ってしまい
クラスに帰るのが
遅れてしまいました。
電話をすませ
あわててクラスに帰ると
みんなは、楽しそうに
給食を食べ始めていました。
私に気づいたこども曰く
みんなちゃんと用意できたから
お当番さんがいただきますして
食べ始めていたよー!
だそう。
お見事です。
ありがとう。
遅くなってごめんなさい。
と言うと
大丈夫。とのこと。
この素晴らしいこどもたちは
ほかの場面でも
いつもそんな感じで
自分たちでよく考え、
行動することが出来ていました。
先生、こうしようよ。
先生、こうしておいたよ。
と、一応報告はされましたが。
当時はまだ若かったわたしは
そんなこどもたちの
相談役のような存在だったかもしれません。
こどもたちの方も
自分たちも先生のような
気持ちでいたのかもしれません。
変わった虫を見つけて
図鑑で一生懸命調べていたKくんは
しばらくすると立ち上がって
こう言いました。
先生、調べたい虫が
保育園の図鑑には載ってないみたい。
園長先生にお願いして
この虫が載っている図鑑を
買ってもらってください。
完璧なおねだりです。
すぐに園長先生も許可してくださいました。
ちょっと難しい曲のピアノを
夕方練習していると
お残りの部屋に行ったはずのRちゃんが
先生、だいぶ上手になったじゃん!
と褒めに来てくれたこともありました。
若くて
子育て経験もなく
指導力も
保育経験も足りない私でしたが
そんな私を
補って余りあるほどの
自主性のあるクラスでした。
たぶん
自分たちは何でもできる!
って、万能感を持っていました。
先生も、おかあさんも
ちょっと気を抜いて
頼りないところがあっても
いいのかもしれませんね。
そのこどもたちも卒園して大きくなり
わたしも何年も保育経験を重ねましたが
あれほどの
自主性のあるクラスには
なかなか巡り合えず
また
育てることも出来ませんでした。
ビギナーズラックだったのか
神様からのギフトだったのか
わかりませんが…。
はじめて持ち上がりで担任した
大好きなこどもたちでした。
一生忘れることはありません。
あのときのこどもたち
二十歳以上年下の私の親友たちが
今もそれぞれの場所で
自信をもって
ちょっと偉そうに生きてくれていることを
こころから願っています。


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